豊中・風が抜ける蔵の家

豊中・風が抜ける蔵の家

敷地面積188㎡ 大阪府豊中市 木造2階建て

風土と暮らしに寄り添う、静かなる強さ

豊中の風が心地よく抜ける一等地に建つこの住まいは、伝統的な「蔵」のイメージを現代的にアレンジしたシンプルなファサードが印象的です。外部からの視線や西日を遮る配置計画により、街に対しては閉じながら、内部にはやさしい光と風が通り抜ける構成を実現しています。

外と内をつなぐ中間的なスペースを随所に設け、空間に奥行きと広がりを与えることで、敷地の魅力を最大限に引き出しました。

床にはオークの無垢材を採用し、暮らしの中で深まる風合いと高い耐久性を両立。長く住み続けるにふさわしい、素朴で豊かな質感が広がります。

造作はすべて大工の手刻みによって丁寧に仕上げられ、巾木や枠材など細部にも確かな職人の技が宿ります。子ども部屋には本棚を間仕切りとして用い、空間を緩やかに仕切ると同時に、暮らしの中に学びや遊びの場を自然に組み込んでいます。

閉じながら開く、守りながら広がる。この地の風土と家族の暮らしに静かに寄り添う、現代の蔵のような住まいです。